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タバコラム 109. 禁煙の日にひとこと(91)~禁煙後の体重増加と2型糖尿病や心血管疾患発症のリスクについて~

 タバコラム 109. 禁煙の日にひとこと(91)
 ~禁煙後の体重増加と2型糖尿病や心血管疾患発症のリスクについて~


 禁煙に成功した方の中には、タバコをやめると体重が増えたという経験をした方も
多いのではないかと思います。
 体重増加が肥満にまで至ると、今度は肥満に伴う健康問題が浮上してきます。例えば2型糖尿病という疾患はその一つです。禁煙に成功しても糖尿病になってしまったら困るではないかと思うのも当然だと思います。

 今回は、『禁煙と体重変化、2型糖尿病、死亡率』という論文が2018年のNEJM
に発表されていたので紹介します。これはYang Hu先生らによる米国の研究で、米国の看護師や医療関係者を2年おきに追跡研究したものです。参加者は糖尿病の発症に関しては162807名、死亡に関する解析では17723名という大人数になっています。

 これらの参加者を現在の喫煙者、一時的な禁煙者、最近の禁煙者(禁煙を26年継続している)、長期間の禁煙者(禁煙をして6年以上継続している)、喫煙をした事のない者の5つにグループ分けし、さらに最近の禁煙者を禁煙開始後の体重変化によって、体重増加がなかった者、0.15kg増加した者、5.110kg増加した者、10kg以上増加した者の4つのグループに分けて調査を行っています。

◆禁煙に伴う2型糖尿病の発症リスク

19.6年間追跡調査して糖尿病の発症は12,384人でした。現在の喫煙者の群と比較すると禁煙者では2型糖尿病の発症リスクは高くなり、図1に示す様に禁煙後57年でピークとなりその後、緩徐に降下を認めました。

タバコラム 109. 禁煙の日にひとこと(91)~禁煙後の体重増加と2型糖尿病や心血管疾患発症のリスクについて~ _d0128520_18061431.jpg
 体重増加との関連は、現在喫煙している群と比較して、禁煙者では体重増加がなかった群、0.15kg増加した群はハザード比1.081.15とごく僅かな上昇にとどまりますが、5kg10kg増加した群、10kg以上増加した群では1.361.59と有意な上昇を認めました。
 つまり禁煙をして体重が5kg以上増加したら2型糖尿病の発症リスクが増加したという事です。図1Bに示す様に体重増加をした禁煙者は禁煙後57年で糖尿病の発症リスクがピークになる様です。
 これは禁煙をした後に体重増加してしまうと2型糖尿病を発症するリスクが増加するという、禁煙により健康に負の効果も出てくる可能性があるという重要な知見かもしれません。

◆禁煙に伴う死亡のリスク
 しかしながら、研究はさらにその先があり、禁煙と心血管疾患による死亡、禁煙とあらゆる死因による死亡について調査しています。
 調査期間中23,867名が死亡し、5,462名が心血管疾患によるものでした。現在喫煙をしている群と比較して、禁煙者の心血管疾患による死亡のハザード比は、体重増加がなかった群、0.15kg増加した群、5kg10kg増加した群、10kg以上増加した群でそれぞれ、0.690.470.250.33でした。長期間の禁煙者では0.5でした。あらゆる死因による死亡のハザード比は、それぞれ0.810.520.460.500.57でした。


タバコラム 109. 禁煙の日にひとこと(91)~禁煙後の体重増加と2型糖尿病や心血管疾患発症のリスクについて~ _d0128520_18071509.jpg
 図2に示す様に心血管関連の死亡リスクは禁煙後に減少し1015年で最低になった後、緩徐に上昇しますが喫煙者のレベルには至りません。これらの傾向は体重増加した群ではすべての群で同様の傾向がみられましたが、体重増加がなかった群では、心血管関連の死亡リスクは禁煙後510年は減少した後にプラトーを示しました。
 全ての死因による死亡リスクは禁煙後57年で減少し、その後、プラトーを示しました。
 このように禁煙によって死亡リスクは心血管疾患によるもの、あらゆる死因によるもの共にリスク減少する事が示されています。さらに体重増加した群でもそれが示されています。

 私は以前、タバコラム90の回で、喫煙をしていると2型糖尿病の発症リスクが高くなるという研究を紹介しましたが、その論文では、禁煙をすると2型糖尿病の発症リスクは禁煙期間が延びるにつれて下がっていくという報告がされていました。
 今回の研究は米国からの報告で、日本人にも当てはまるかどうかはさらなる検討が必要かもしれませんが、やはり体重が増加すると2型糖尿病の発症リスクは上昇すると思いますので『禁煙をされる方は禁煙後の体重増加には注意する必要があり』そうです。ただし、『体重増加を怖れて禁煙をしないという判断は命を縮める危険があるかもしれない』という事のようです。禁煙者の体重をコントロールしていく為には食事の質を改善した食事療法と運動などで身体活動性を高める事が必要かもしれません。



Yang Hu, et al:Smoking cessation, weight change, type 2 diabetes, and mortality. N Engl J Med2018; 379: 623-632.


    禁煙促進チーム 生田 卓也


by hiro-nishi-mc | 2019-04-18 18:17 | タバコラム
タバコラム 108. 禁煙の日にひとこと(90)~『新型タバコの本当のリスク』という新刊本の紹介~


 タバコラム 108. 禁煙の日にひとこと(90)
  ~『新型タバコの本当のリスク』という新刊本の紹介~



タバコラム 108. 禁煙の日にひとこと(90)~『新型タバコの本当のリスク』という新刊本の紹介~_d0128520_10165313.jpg

 ここに最近出版されたばかりの本があります。
 『新型タバコの本当のリスク アイコス、グロー、プルーム・テックの科学』 (内外出版社、田淵 貴大著、2019.3.22発行)です。

 私も手に入れて読みました。この本の中にも説明されていますが、ことばの定義がややこしいので、ざっと最初に説明します。

 昔からあるタバコは多くの人がご存じの『紙巻きタバコ』で、細川たかしのヒット曲にもあるように、タバコの先に火をつけて反対側の吸い口から煙を吸うタバコのことです。『燃焼式タバコ』とも言います。

 それに対して、この本のタイトルにもある『新型タバコ』とは、直接火をつけずに加熱してタバコ成分をエアロゾルにして吸い込む『加熱式タバコ』とカプセル状のリキッドを加熱してエアロゾルとして吸い込む『電子タバコ』に分けられます。
 加熱式タバコにはアイコスやグローのようにタバコの葉をヒーターで加熱するタイプとプルーム・テックのように加熱したリキッドとタバコの葉入りカプセルを用いるタイプの2種類あり、電子タバコはニコチンや人工香料などが入ったリキッドを用いています。

 ただここでややこしいのは、日本での定義と国際的な定義が異なるところです。日本では諸外国と異なり、電子タバコにニコチン入りリキッドは使用が法律上禁止されているのでニコチン入りの電子タバコは販売されていません。 ところが、タバコの葉を用いる、広い意味の電子タバコは加熱式タバコと定義され、従来のタバコ(紙巻きタバコ)と同様の扱いを受けて販売されています。さらに、日本独特の特徴があり、201610月の世界の加熱式タバコや電子タバコの市場調査によると、アイコスの販売世界シェアの96%を日本が占めているとのことです。

 さて、新型タバコは害が少ないですよ!との触れ込みで、日本で急速に広まっているなか、従来の紙巻きタバコと同様の有害物質も含まれていたり、強固なニコチン依存症になったり、新型タバコにも紙巻きタバコ同様の多くの問題があると本書の中で詳しく指摘されていますので、興味のある方はぜひ手に取ってお読みください。

 最後に、本書の中で、禁煙するには?と題するコラムのところで、私自身とても心を動かされましたのでそこを紹介しておきたいと思います。

 禁煙するタイミングについて、例えば、金曜の夕方仕事を終え、禁煙をスタート、土日に家族と一緒に過ごして月曜の朝まで禁煙すればほぼ3日間はタバコを止められます。3日間禁煙すれば平均的にはニコチン離脱症状もおさまる頃です。そのままずっと止めてみてください。・・(中略)・・もちろん禁煙が1回でうまくいくとは限りません。金曜夜からの禁煙に毎週チャレンジしてもらってもいいと思います。いつか禁煙に成功できると思います。もっと極端なことをいえば、毎日朝起きた時にはもうすでに78時間は禁煙に成功しています。当たり前のことですが、人間の体はタバコを吸わなくても大丈夫なようにできてきます。毎日でも禁煙にチャレンジしてほしいと思っています。・・(後略)

禁煙には何回でもチャレンジしてほしいと私も心の底からそう思っています。

 

     禁煙促進チーム 立山 義朗

by hiro-nishi-mc | 2019-04-02 10:19 | タバコラム