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タバコラム61.禁煙の日にひとこと(43) ~赤ちゃんとタバコについて~
 タバコラム61.禁煙の日にひとこと(43)
  ~赤ちゃんとタバコについて~


 私は非喫煙者で、普段はタバコに関しては、『健康に悪影響しか与えず、お金もかなりかかる、そのうえ他人に嫌な目で見られてもなお吸いたいのだから、もう仕方がない』というくらいにしか考えていませんでした。この度、タバコについて原稿依頼を受けたことをきっかけに、もう少ししっかり考えてみようと思いました。

 ところで私は研修医2年目で、現在産婦人科をローテート中で、産まれたての赤ちゃんたちに癒される毎日です。何件かお産にも立ち会わせていただきましたが、幸い産まれてきたのは、五体満足の元気なかわいい赤ちゃんたちでした。その一方でお母さんのおなかの中でしっかり発育できなかった子や、発育しきらないうちに産まれてしまい、母子ともに苦しい思いをすることも、それほどめずらしくはないようです。

 そこで、若い女性の喫煙風景を見かけることが多くなった今日、妊娠中に喫煙すると、赤ちゃんにはどのような影響があるのか少し勉強してみたくなりました。

d0128520_2120953.jpg 妊娠中に喫煙してしまうと、子宮内胎児発育遅延(Intrauterine growth retardation, IUGR)が起こるリスクが高まります。IUGRとは、その名の通り、子宮の中での赤ちゃんの発育が遅れ、体重の増加が鈍ることですが、喫煙の影響としては、それだけにとどまらず、予備能力が少ないため陣痛に耐えられず、胎児仮死や新生児仮死になることが多くなったり、また、出生後の合併症のリスクも高まるようです。

 このIUGRの程度は喫煙本数に関係し、一般に母が喫煙していると、出生時体重は約200g 軽くなり、ヘビースモカーでは約450g 軽くなると言われています1)。つまり、IUGRはタバコに含まれるニコチン3)が副腎髄質を介して末梢血管、特に臍帯血管を収縮させたり、一酸化炭素(CO)が酸化ヘモグロビンを低下させることによって、赤ちゃんに栄養不良や低酸素状態を来たすため起こると考えられます。

 また流産、早産、前置胎盤、胎盤早期剥離などの異常も喫煙者では2~3倍増加し、早産率は喫煙本数と明らかな相関が見られ、母が非喫煙者のとき6%であるのに対し、1日31本以上の喫煙者だと33%まで増加するとの報告もあります。 1)2)

もちろん、お母さん(妊婦さん)自身の能動喫煙だけでなく、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、友人、職場の人、一般人などからの受動喫煙もよくないことは明らかです。


元気で産まれたいはずの赤ちゃんをタバコで苦しめていいわけありませんよね?
今回、原稿を書きながら妊婦さんをタバコから守らないといけない!とつよく思いました。

 1)http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/insyu.htm
 2)http://www.ikujizubari.com/kenko/tabako1.html 
 3)http://www.srf.or.jp/histoly/papers/10.html


     禁煙促進チーム(初期研修医 松田 千尋)
by hiro-nishi-mc | 2015-06-17 21:21 | タバコラム
   
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