6.タバコと病気(2)メタボリック症候群(MS)
メタボリック症候群(MS) とは主に不健康な生活習慣(過食、運動不足、喫煙など)から、内臓脂肪型肥満になり、糖代謝異常、高血圧、脂質代謝異常などが起こり、これらのリスクが重なり合うことによって動脈硬化が進行し、その結果、脳・心血管病変(脳卒中や心筋梗塞)のリスクが高まる病態のことを言います。

肥大した脂肪細胞から分泌される様々な生理活性物質(アディポネクチン↓、TNFα↑、PAI1↑など)がインスリン抵抗性、血栓形成傾向、血圧上昇などを起こすことが原因とされています。
一方、喫煙者は非喫煙者と比較して有意にウエスト・ヒップ比↑、アディポネクチン↓、インスリン抵抗性↑、TG↑、HDLc↓であり、2倍MSになりやすく、MSの50%はタバコが原因と言われています。
がんに次ぐ死因である脳・心血管病変を減らすために、MSの予防と是正が重要ですが、その前にまず禁煙です。
そして、受動喫煙対策も禁煙治療と同様に積極的に推進していかなければなりません。
(TCT 立山義朗)