人気ブログランキング |
> 以前の記事
2019年 04月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 07月
2011年 04月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 03月
2010年 01月
2009年 11月
2009年 07月
2009年 05月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 05月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
タバコラム 109. 禁煙の日にひとこと(91)~禁煙後の体重増加と2型糖尿病や心血管疾患発症のリスクについて~

 タバコラム 109. 禁煙の日にひとこと(91)
 ~禁煙後の体重増加と2型糖尿病や心血管疾患発症のリスクについて~


 禁煙に成功した方の中には、タバコをやめると体重が増えたという経験をした方も
多いのではないかと思います。
 体重増加が肥満にまで至ると、今度は肥満に伴う健康問題が浮上してきます。例えば2型糖尿病という疾患はその一つです。禁煙に成功しても糖尿病になってしまったら困るではないかと思うのも当然だと思います。

 今回は、『禁煙と体重変化、2型糖尿病、死亡率』という論文が2018年のNEJM
に発表されていたので紹介します。これはYang Hu先生らによる米国の研究で、米国の看護師や医療関係者を2年おきに追跡研究したものです。参加者は糖尿病の発症に関しては162807名、死亡に関する解析では17723名という大人数になっています。

 これらの参加者を現在の喫煙者、一時的な禁煙者、最近の禁煙者(禁煙を26年継続している)、長期間の禁煙者(禁煙をして6年以上継続している)、喫煙をした事のない者の5つにグループ分けし、さらに最近の禁煙者を禁煙開始後の体重変化によって、体重増加がなかった者、0.15kg増加した者、5.110kg増加した者、10kg以上増加した者の4つのグループに分けて調査を行っています。

◆禁煙に伴う2型糖尿病の発症リスク

19.6年間追跡調査して糖尿病の発症は12,384人でした。現在の喫煙者の群と比較すると禁煙者では2型糖尿病の発症リスクは高くなり、図1に示す様に禁煙後57年でピークとなりその後、緩徐に降下を認めました。

d0128520_18061431.jpg
 体重増加との関連は、現在喫煙している群と比較して、禁煙者では体重増加がなかった群、0.15kg増加した群はハザード比1.081.15とごく僅かな上昇にとどまりますが、5kg10kg増加した群、10kg以上増加した群では1.361.59と有意な上昇を認めました。
 つまり禁煙をして体重が5kg以上増加したら2型糖尿病の発症リスクが増加したという事です。図1Bに示す様に体重増加をした禁煙者は禁煙後57年で糖尿病の発症リスクがピークになる様です。
 これは禁煙をした後に体重増加してしまうと2型糖尿病を発症するリスクが増加するという、禁煙により健康に負の効果も出てくる可能性があるという重要な知見かもしれません。

◆禁煙に伴う死亡のリスク
 しかしながら、研究はさらにその先があり、禁煙と心血管疾患による死亡、禁煙とあらゆる死因による死亡について調査しています。
 調査期間中23,867名が死亡し、5,462名が心血管疾患によるものでした。現在喫煙をしている群と比較して、禁煙者の心血管疾患による死亡のハザード比は、体重増加がなかった群、0.15kg増加した群、5kg10kg増加した群、10kg以上増加した群でそれぞれ、0.690.470.250.33でした。長期間の禁煙者では0.5でした。あらゆる死因による死亡のハザード比は、それぞれ0.810.520.460.500.57でした。


d0128520_18071509.jpg
 図2に示す様に心血管関連の死亡リスクは禁煙後に減少し1015年で最低になった後、緩徐に上昇しますが喫煙者のレベルには至りません。これらの傾向は体重増加した群ではすべての群で同様の傾向がみられましたが、体重増加がなかった群では、心血管関連の死亡リスクは禁煙後510年は減少した後にプラトーを示しました。
 全ての死因による死亡リスクは禁煙後57年で減少し、その後、プラトーを示しました。
 このように禁煙によって死亡リスクは心血管疾患によるもの、あらゆる死因によるもの共にリスク減少する事が示されています。さらに体重増加した群でもそれが示されています。

 私は以前、タバコラム90の回で、喫煙をしていると2型糖尿病の発症リスクが高くなるという研究を紹介しましたが、その論文では、禁煙をすると2型糖尿病の発症リスクは禁煙期間が延びるにつれて下がっていくという報告がされていました。
 今回の研究は米国からの報告で、日本人にも当てはまるかどうかはさらなる検討が必要かもしれませんが、やはり体重が増加すると2型糖尿病の発症リスクは上昇すると思いますので『禁煙をされる方は禁煙後の体重増加には注意する必要があり』そうです。ただし、『体重増加を怖れて禁煙をしないという判断は命を縮める危険があるかもしれない』という事のようです。禁煙者の体重をコントロールしていく為には食事の質を改善した食事療法と運動などで身体活動性を高める事が必要かもしれません。



Yang Hu, et al:Smoking cessation, weight change, type 2 diabetes, and mortality. N Engl J Med2018; 379: 623-632.


    禁煙促進チーム 生田 卓也


# by hiro-nishi-mc | 2019-04-18 18:17 | タバコラム
タバコラム 108. 禁煙の日にひとこと(90)~『新型タバコの本当のリスク』という新刊本の紹介~


 タバコラム 108. 禁煙の日にひとこと(90)
  ~『新型タバコの本当のリスク』という新刊本の紹介~



d0128520_10165313.jpg

 ここに最近出版されたばかりの本があります。
 『新型タバコの本当のリスク アイコス、グロー、プルーム・テックの科学』 (内外出版社、田淵 貴大著、2019.3.22発行)です。

 私も手に入れて読みました。この本の中にも説明されていますが、ことばの定義がややこしいので、ざっと最初に説明します。

 昔からあるタバコは多くの人がご存じの『紙巻きタバコ』で、細川たかしのヒット曲にもあるように、タバコの先に火をつけて反対側の吸い口から煙を吸うタバコのことです。『燃焼式タバコ』とも言います。

 それに対して、この本のタイトルにもある『新型タバコ』とは、直接火をつけずに加熱してタバコ成分をエアロゾルにして吸い込む『加熱式タバコ』とカプセル状のリキッドを加熱してエアロゾルとして吸い込む『電子タバコ』に分けられます。
 加熱式タバコにはアイコスやグローのようにタバコの葉をヒーターで加熱するタイプとプルーム・テックのように加熱したリキッドとタバコの葉入りカプセルを用いるタイプの2種類あり、電子タバコはニコチンや人工香料などが入ったリキッドを用いています。

 ただここでややこしいのは、日本での定義と国際的な定義が異なるところです。日本では諸外国と異なり、電子タバコにニコチン入りリキッドは使用が法律上禁止されているのでニコチン入りの電子タバコは販売されていません。 ところが、タバコの葉を用いる、広い意味の電子タバコは加熱式タバコと定義され、従来のタバコ(紙巻きタバコ)と同様の扱いを受けて販売されています。さらに、日本独特の特徴があり、201610月の世界の加熱式タバコや電子タバコの市場調査によると、アイコスの販売世界シェアの96%を日本が占めているとのことです。

 さて、新型タバコは害が少ないですよ!との触れ込みで、日本で急速に広まっているなか、従来の紙巻きタバコと同様の有害物質も含まれていたり、強固なニコチン依存症になったり、新型タバコにも紙巻きタバコ同様の多くの問題があると本書の中で詳しく指摘されていますので、興味のある方はぜひ手に取ってお読みください。

 最後に、本書の中で、禁煙するには?と題するコラムのところで、私自身とても心を動かされましたのでそこを紹介しておきたいと思います。

 禁煙するタイミングについて、例えば、金曜の夕方仕事を終え、禁煙をスタート、土日に家族と一緒に過ごして月曜の朝まで禁煙すればほぼ3日間はタバコを止められます。3日間禁煙すれば平均的にはニコチン離脱症状もおさまる頃です。そのままずっと止めてみてください。・・(中略)・・もちろん禁煙が1回でうまくいくとは限りません。金曜夜からの禁煙に毎週チャレンジしてもらってもいいと思います。いつか禁煙に成功できると思います。もっと極端なことをいえば、毎日朝起きた時にはもうすでに78時間は禁煙に成功しています。当たり前のことですが、人間の体はタバコを吸わなくても大丈夫なようにできてきます。毎日でも禁煙にチャレンジしてほしいと思っています。・・(後略)

禁煙には何回でもチャレンジしてほしいと私も心の底からそう思っています。

 

     禁煙促進チーム 立山 義朗

# by hiro-nishi-mc | 2019-04-02 10:19 | タバコラム
タバコラム 107. 禁煙の日にひとこと(89)~タバコは骨粗鬆症のリスクです~


 タバコラム 107. 禁煙の日にひとこと(89)
    ~タバコは骨粗鬆症のリスクです~



🔴喫煙は骨粗鬆症の危険因子

 骨粗鬆症は骨の強度が低下して骨折するリスクが増大している状態の事を言いますが、喫煙は骨粗鬆症の危険因子のひとつです。

 骨粗鬆症の診断を受ける為には、病院に行って骨密度を測定してもらい、若年成人平均値(Young adult mean:YAM)を基準にしてどのくらい低下しているかを評価してもらう事が必要になります。YAM70%未満、もしくはX線検査で脆弱性骨折を発見された方では80%未満で骨粗鬆症という診断になります。

d0128520_17460598.jpg
 FRAX(fracture risk assessment tool)(図1)というツールを用いると個人の今後10年間の骨折発生確率を算出する事が出来ますが、このツールで入力していく危険因子の欄の7番目に『現在の喫煙』があります。
 FRAXを用いて、10年後の骨粗鬆症性骨折確率が15%以上と判定されると骨密度が7080%の方も骨折予防のための治療薬を開始した方がよいとされています(図2)。
d0128520_17460501.jpg
 FRAX
で採用された危険因子を眺めると、生活習慣の改善で危険因子『あり』を『なし』に出来るのはこの『喫煙』と11番目に挙げられている『アルコール』という事になります。

🔴何故、喫煙によって骨が脆くなる?

 様々な機序がある様ですが、Jounal of Osteoporosis のレビュー記事によると、

 間接的な影響としては、
 ・ニコチンが食欲を抑制し喫煙者が低体重、低BMIになる事、
 ・喫煙によりビタミンDや副甲状腺ホルモン(PTH)に影響し骨量を低下させる事、
 ・コルチゾールを増加する事、
 ・女性ホルモン(エストラジオール)を減少させる事、
 ・酸化ストレスを増加する事

 などが報告されている様です。

 直接的には
 ・ニコチンが骨形成を抑制する事
 も報告されているのだそうです。 詳しくは文献をご参照ください。


 どうやら喫煙する事で骨が脆くなり、骨折しやすくなるのは確からしい様です。

 禁煙をして将来的に骨折を予防する事が出来たら良いと思いませんか。

       禁煙促進チーム 生田 卓也

参考文献

  1. 藤原佐枝子 骨折リスク評価ツールFRAX. 診断と治療,vol.104,no.10,1263-1266,2016

  2. Al-Bashaireh.AM The Effect of Tobacco Smoking on BoneMass:An Overview of Pathophysiologic Mechanisms. J.Osteoporos, 2018,Dec2:2018:1206235



# by hiro-nishi-mc | 2019-02-21 17:53 | タバコラム
タバコラム 106. 禁煙の日にひとこと(88)~JT全国喫煙者率調査が終了に!~

 タバコラム 106. 禁煙の日にひとこと(88)
   ~JT全国喫煙者率調査が終了に!~


 今年51日に改元され、今の天皇陛下が皇太子殿下に譲位されることが決まっています。

 平成最後だからというわけではないでしょうが、昨年1213日に1965年からJTが毎年行ってきた男女別喫煙者率の全国調査が2018年をもって終了すると発表されました。
 終了の理由としては、個人情報の観点より調査の信頼性の担保が困難とか調査の負担を勘案して総合的に判断した結果とのことのようです。

 ちょうどこの機会に54年の長期にわたる喫煙者率をグラフ化してみました(図)。

d0128520_11572820.jpg
 1965年には男性で80%を超えていたのが1/327.8%に、女性で15%を超えていたのがほぼ1/28.7% まで年を追うごとに直線的に減少し続けていたのがよくわかります。

 その理由としては、タバコの有害性の科学的証明がなされていること、国民の健康意識が向上したこと、受動喫煙被害をなくそうとの共通認識が得られつつあることなどがあげられるでしょう。

 さて、2019年からの今後の喫煙率調査については、厚労省が行っている国民健康・栄養調査(毎年)や国民生活基礎調査(3年に1度)の喫煙に関する項目から拾うことになります。

 喫煙率調査に関連して、今後は従来の燃焼式タバコのみならず新型タバコとして売り出されている加熱式タバコの使用についても使用者率(喫煙率)など漏れないように調査していくことが重要となってきます。

 なにしろ加熱式タバコの有害性がどのような形で出てくるかまだ十分なデータがない状況ですから。

          禁煙促進チーム 立山 義朗



# by hiro-nishi-mc | 2019-01-22 12:04 | タバコラム
タバコラム 105. 禁煙の日にひとこと(87)~禁煙後進国日本はこんなところにも!~

 タバコラム 105. 禁煙の日にひとこと(87)
    ~禁煙後進国日本はこんなところにも!~


今年も残りあと僅かとなってまいりました。慌ただしくお過ごしのことと思います。

さて、今回は禁煙後進国日本はこんなところにも!と題してプレーン・パッケージング1)について紹介したいと思います。

d0128520_15571741.jpg


🔴タバコ製品の包装及びラベル2)

皆さんも既にお気づきかと思いますが、タバコの箱の包装には『喫煙によって健康を害する危険があります』といった内容のメッセージが表示されています。これは世界保健機関(WHO)2005年に発効した、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(WHO framework Convention on Tobacco Control:FCTC)に基づいています。FCTC11条では、たばこ製品の包装及びラベルについて『たばこ使用の有害な影響を示す健康警告を表示すること』が定められています。さらに『虚偽や欺瞞的な不適切な表現を用いて、たばこ製品の販売を促進しないこと』とされています。

🔴タバコの包装のお国柄

FCTCの締約国は現時点で181か国まで増えており、当然、日本も含まれています。タバコの包装における健康被害を警告する表示は『主たる表示の50%以上を占めるべきであり、30%を下回ってはならない』と勧められています。健康被害を警告する表示が、包装の主要面のどのくらいの割合を占めているかは、国によって違いがあり、日本は30%ですが、オーストラリア82.5%、カナダ75%、アメリカ50%となっています。

🔴プレーン・パッケージングとは

オーストラリアは2012年に世界で最も早く『プレーン・パッケージング』を導入しました。オーストラリアのタバコの表示は、単色無地でロゴなども一切使用せず、タバコ会社は商品名と社名のみを決まった色、書体、サイズの文字で決まった場所に表示しなくてはならないのだそうです。ブランドイメージを剥ぎ取られたタバコは魅力のないものに見えるため、喫煙率の低下につながるという訳です。

d0128520_15572565.jpg

写真:オーストラリアのタバコ(日本禁煙学会ホームページより)

日本の私達は「本当にここまでやるの?やりすぎではないか?」という印象を受けるかもしれませんが、あくまでも禁煙後進国の日本の感想に過ぎないかもしれません。しかしながら、タバコ会社の方もこのような厳しい規制に対しては黙っていない様で、国際投資協定や知的財産権を盾にして訴訟を起こしたりしているそうです。禁煙先進国では日々、激しい攻防戦が繰り広げられているのではないでしょうか。プレーン・パッケージングが日本でも導入される日が来るでしょうか?

 これについて、皆さんはどう思われますか?

参考文献

1)宮崎恭一:III 世界の潮流と日本の現状 Chapter5タバコのパッケージ、禁煙学改訂第3版、東京:南山堂;2014. p.252-256

2)戸次加奈江:「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」第11条 「たばこ製品の包装及びラベル」について、日本衛生学会雑誌 2015;70:24-32.


         禁煙促進チーム 生田卓也


# by hiro-nishi-mc | 2018-12-20 15:59 | タバコラム
   
> 最新の記事
> 検索
> 画像一覧