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タバコラム4.タバコと病気(1)がん-その1-
4.タバコと病気(1)がん-その1-
タバコは有害化学物質を煙にして放出する製品であり、すぐにでも規制すべき対象であるとの医療者(病理医)としての立場から、タバコと関係すると考えられる、いろいろな病気について今回から簡単に書いていきます。
まずは
『がん』 から。
がんは『悪性腫瘍』と同じ意味のことばです。つまり『悪性』とはこのまま放置すれば死ぬという意味であり、『腫瘍』とは勝手に無制限増殖し、コントロールできなくなった異常な細胞集団を意味します。もともとは正常だった細胞に遺伝子異常がいくつか積み重なった結果腫瘍が作られますが、そのなかでも悪性の腫瘍をがんと言うわけです。
よく知られているようにタバコの煙には4,000種類以上の化学物質、約200種類の有害物質、60~70種類の発がん物質が粒子やガスとして存在し、ニトロソアミン類、ベンツピレン、ダイオキシン類、アルデヒド類、活性酸素などが遺伝子異常を起こし発がんと関係しています。
がんにならないためには能動喫煙をしてはいけないことは言うまでもありませんが、自分が吸い込む煙よりも多くの有害物質を含む副流煙による受動喫煙被害を発生させないことの方がもっと重要です。
(TCT 立山義朗)