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タバコラム169. 禁煙の日にひとこと(151) ~タバコラムの復活を期待して 長年、当院公式ブログの一角を借りて、タバコラムを掲載して参りましたが、タバコラムの執筆者達のご意見を聞き、この年度替わりに合わせていったん休止となりました。 順不同となりますが、生田先生、坪井先生、真鍋先生、立山の順で、いつになるかわかりませんが、いつかのタバコラムの復活を期待しつつ書き留めておきたいと思います。 1)とりあえず最後のタバコラム原稿 禁煙促進チーム 生田 卓也(広島西医療センター 総合診療科) 広島西医療センター院内BLOGという形で、2008年7月からおおよそ月1回のペースで更新されてきたタバコラムは、令和5年度末で休止とすることになりました。今年2月までに168本のコラムが掲載されましたが、その執筆の多くは禁煙促進チームメンバーや大竹市医師会の先生方によるものです。 私は院内の禁煙促進チームの委員になった2016年頃から原稿を書かせて頂く様になりました。タバコや禁煙にまつわる記事を担当の執筆者が自由に選んで書いてもよいのですが、これが簡単なようにみえて実に難しく、毎回、悪戦苦闘してきました。その節はどうもお世話になり、ありがとうございました。このような15年以上の長期に渡る連載が終わってしまうのは少し残念な気もしますが、BLOGを利用して禁煙啓発活動をしていく気運が再び盛り上がった時点で再開ということですので、一旦、ここでおしまいにさせて頂きたいと思います。 私はこのタバコラムの原稿執筆を通して、また他の先生の書かれたコラムを読ませて頂くことで、タバコや禁煙と健康問題について毎回いろんなテーマで学ぶ事が出来て非常に勉強になりました。またBLOGを読まれた方の中で、一人でも多くの方が禁煙に成功していただけたならこれほどうれしいことはありません。どうも長い間ありがとうございました。 2)今後の禁煙外来への期待 大竹市医師会 坪井 和彦(医療法人英眞会 坪井クリニック) 新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」となった現在でも禁煙補助薬のチャンピックスの出荷停止は続いている。しかし、ニコチンパッチやニコチンガムの品薄状態が少しずつ解消されたおかげで一時休診していた禁煙外来が再開されはじめ、大変喜ばしい。 最近の禁煙外来において、「加熱式タバコ」愛用者が受診され苦慮するケースがあると聞く。しかし、紙巻きタバコと同様に禁煙外来を展開することが可能で、ひとつの例として加熱式タバコの喫煙本数からブリンクマン指数を算定する方法を「禁煙治療のための標準手順書 第7版」を用いて、以下に示す。 「タバコ葉を含むスティックを直接加熱するタイプ」は、スティック1本を紙巻タバコ1本として換算する。「タバコ葉の入ったカプセルやポッドに気体を通過させるタイプ」は、1箱を紙巻タバコ20本として換算する。例)加熱式タバコカプセルタイプ(1箱5カプセル入り)を1日3カプセル使用で4年間喫煙した場合のブリンクマン指数(20本×3/5箱×4年間)=48となる。 最後に、禁煙補助薬のチャンピックスがない中でも、限られた手法でこれまで培ってきた経験をもとに進めていくことで十分対応できると確信する。 3)タバコラムの情報発信に感謝と期待 大竹市医師会 真鍋 憲幸(三菱ケミカルグループ株式会社全社統括産業医) 広島西医療センターのタバコラムが一旦、結びとなることをお伺いし、一言お礼をお伝えさせて頂きたくペンをとりました。 タバコラムは、2008年7月に第1回の掲載がなされてから、2024年2月まで、実に168回の長きにわたるロングランコラムです。西医療センターの立山先生や生田先生のご尽力の賜物で、その間、数多くのタバコの健康影響について具体的でわかりやすい紹介がなされました。西医療センターの患者さんはもとより、多くの広島西圏域の市民の皆さんの眼に触れたことと思いますし、このコラムで禁煙、卒煙を決めた人も少なくないはずです。すなわち、多くの人の命や生活を救ったコラムと言えます。 思い起こせば、この約20年で、タバコを取り巻く環境は大きく変わりました。例えば、弊社では2008年当時、「会議室でタバコが吸える」工場もありました。その後、弊社は2017年に全国全拠点を「事業所内禁煙・就業時間内禁煙」とし、受動喫煙防止を強い経営方針とします。こうした施策展開ができたのも、タバコラムのように、地道で、しかし力強い、継続的な情報発信があったからだと感じています。改めて、このタバコラムに感謝と敬意を表したいと思います。 私は、直近では2022年の春と秋、また、2023年の春に寄稿をさせて頂きました。ご縁を頂けたことに重ねて感謝申し上げます。 これからも、形は変えても啓発活動は続いていくことと存じます。長きにわたり、貴重な情報発信をありがとうございました。 4)タバコラム執筆者と読者へのお礼 禁煙促進チーム 立山 義朗(広島西医療センター 病理診断科) 私は2005年4月に当院に入職し、県医師会を通じて禁煙活動に協力してきたこともあり、禁煙外来をつくり、敷地内全面禁煙を目指し、県医師会で長年続いている禁煙コーナーのような定期的情報発信を当院でも始めたいと思っていました。しかし、私の力不足で、敷地内の喫煙可能テントが設置されていたこともあり、禁煙外来の保険診療とはいかず、禁煙指導や禁煙治療も十分行き届かない状況で今日まで来てしまいました。幸い、大竹市内では坪井クリニックで保険診療による、積極的な禁煙外来が行われていたこともあり、禁煙を希望する多くの患者さんを救っていただいたことに感謝しております。また、タバコラムも幸いにも途切れることもなく、2008年から15年余りこの原稿を入れて169本(22日の禁煙の日に合わせて月に1本を目標に、という意味で『禁煙の日にひとこと』と題して151本)書き続けることができました。これもひとえに、生田先生、坪井先生、真鍋先生を始めとする執筆のご協力と、当院ホームページ上に公開させていただいた歴代院長と新甲 靖現院長のおかげと感謝しています。隔年で行ってきた当院職員の喫煙率調査では、新型タバコを含めても年々低下していますし、職員も患者さんもタバコに対する意識はここ20年で大きく変化してきていると感じます。チャンピックスという禁煙率の高い、画期的な飲み薬が出てきておりましたが、発がん性物質が疑われる成分が含まれるとのことで未だに使用できない状況が続いていますし、タールが含まれず、煙の出ない新型タバコの登場と併せて禁煙指導や禁煙治療に関しても変化してきています。そして今ほど依存症が注目されている時代はないと私は感じています。依存症と言えば、ニコチン依存症に限らず、大麻などの薬物依存症、アルコール依存症、ギャンブル依存症などが大きな社会問題となっており、依存症治療として心理学的、社会的、薬物療法的な多岐にわたるアプローチが必要な時代となってきています。ニコチン依存症に限って言うとすれば、自分でコントロールができなくなった喫煙をやめれば、受動喫煙被害の消失もさることながら、自身の肉体や精神への数知れない悪影響は明らかに低下するでしょう。とりあえず、私からの最後のメッセージとして、ニコチンを含む新型タバコ、日本ではニコチンを含まないが、今後肺への吸入でどのような悪影響を及ぼすか不明な電子タバコ、そして古くからある紙巻きタバコはいずれも、ある意味『嗜好品』ですが、自分自身や大切な家族や友人たちの健康のためにやめることを選択していただきたいと切に願っています。 タバコラムを支えてくださった皆様、これまで本当にありがとうございました。タバコラムの復活を心より期待しています。 禁煙促進チーム 生田 卓也、立山 義朗 大竹市医師会 坪井 和彦、真鍋 憲幸 #
by hiro-nishi-mc
| 2024-04-24 14:06
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タバコラム168. 禁煙の日にひとこと(150) ~禁煙和歌集3冊の読み返し~過去資料から(5) 手元に3冊の禁煙和歌集があります(図)。 今回は、その中で私が印象に残った歌などをそれぞれいくつか紹介いたします。 ■1冊目:禁煙賛歌 山家雅宣著、新風書房、1997年 友達というテーマで、詠まれた歌です。 『今ほどに 禁煙の声高ければ 我が友救われ 命あるものを』 30年近く前に出版された本ですが、今でも心に響いてくる1首と思います。 私は、幸いにも、と言っていいかどうかわかりませんが、タバコは学生時代の5年間で縁を切ることができました。 大学生の時のクラブ活動で一緒だった、同学年の某君(医師ではありません)が何年か前に家族と夕食中急死したとの知らせを受けました。 大学を卒業してからもずっと吸っていたようです。体格も心も大らかないい奴でした。本当に残念です。 最初の歌と少し関連しているかもしれませんが、 『この経験 友に告げたし 語りたし 死煙との決別 一日でも早く』 まさしく、タバコの紫煙は死煙です。 『この料亭 煙草吸う板前を 何故雇う 味の評判 墜ちると知らぬか』 今はあり得ない話ですが、かつて自分もラーメンを食べにお店に入って、厨房で銜えタバコで作っていたのを目にしたことがあります。もちろん、二度とそこには行くことはありませんでした。 ■2冊目:ニコチン中毒ところかまわず 日本禁煙推進医師歯科医師連盟編、葉文館出版、2000年 下の句はすべて本のタイトルにある『ニコチン中毒 ところかまわず』が続きます。 『いいですか 聞かれた私は 妊婦です ニコチン中毒 ところかまわず』 一言断れば吸ってよいというのは、大きな勘違いです。 『吸い殻を ポイ捨てできる 無神経 ニコチン中毒 ところかまわず』 実は、私も喫煙者だった頃、平気で講義室のフロアや路上に捨てて踏みつけて立ち去っていました。今考えると恥ずかしい限りです。 『何かへん 吸わない自分が 我慢する ニコチン中毒 ところかまわず』 自分自身も禁煙してやっと吸わない人の気持ちがわかるようになりました。 立ち上る煙が周りの人達にどれだけ迷惑をかけていたかを考えると、懺悔の気持ちでいっぱいです。 ■3冊目:禁煙賛歌II 山家雅宣著、文芸社、2008年 禁煙教室後に生徒が感想文の代わりに書いた標語だそうです。 『その煙 老化が進む 玉手箱』 玉手箱をあけて一瞬で白髪の老人になったという、浦島太郎伝説になぞらえています。 タバコから発生する過酸化物や起炎物質は、老化を促進し寿命を短くするということを学んだようです。 『前を行く 人がくゆらす あの死煙 逃れられない 一本道で』 歩行喫煙している人は、最近ほとんど見なくなりましたが、それでもたまに見かけます。 風下は本当に息苦しいです。 『あのときに タバコやめれば助かった 続けたために 肺ガン宣告』 改めて最後にお伝えしたいこと。 死んでからでは遅いのでタバコは元気なうちにやめましょう! 後悔先に立たずとはまさにタバコのことを言い表しているのだと思っています。 禁煙促進チーム 立山 義朗 #
by hiro-nishi-mc
| 2024-02-21 15:46
| タバコラム
タバコラム167. 禁煙の日にひとこと(149) ~改めてタバコの話題を3つ~ ■1つ目:日本学術会議の報告書 先日、中国新聞に、日本学術会議が加熱式タバコに関して最新の報告1)をしたという記事が載っていました。それによると加熱式タバコは、
といった評価を行ったとの事です。 日本学術会議という識者の集まりからも新型の加熱式タバコへの懸念が示されたという事でしょう。 ■2つ目:バレニクリンの出荷停止 バレニクリンは2006年に発売された禁煙補助薬でα4β2ニコチン受容体部分作動薬です。ニコチン受容体を軽く刺激することにより禁煙に伴うニコチンからの離脱症状を軽減する効果が期待できるため、禁煙治療の開始とともに処方される薬です。 さて、このバレニクリンですが2021年6月から出荷が停止されています。 その理由は基準を上回る不純物(N-ニトロソバレニクリン)という発がんリスクのある物質が検出されたためですが、製薬会社が製造方法を変更し、それに伴う承認内容を変更するためには改めて薬事申請手続きが必要となるために、未だに出荷停止が続いている様です2)。 この薬はニコチン依存症管理料の施設基準の届出を行っている医療機関でのみ処方する事が出来る薬です。禁煙補助薬が使用できない状況は禁煙治療をしていく医師、患者さんどちらにも心細い事ではありますが、事の成り行きを見守るしかなさそうです。 ■3つ目:禁煙に向けての5Aアプローチ(図)
といった5段階のアプローチです。 これは医療提供者側のやり方次第で、短時間の外来でも喫煙者を禁煙に導く事が出来るかもしれないという基本的な方法と思います。 さて、新しい年を迎え、今年も地道に禁煙促進活動を進めていきましょう。 禁煙促進チーム 総合診療科 生田 卓也 参考資料 3)潤間励子. 禁煙指導・禁煙治療 日本臨床 2022年80卷:増刊号6 ;337-340 #
by hiro-nishi-mc
| 2024-01-23 10:34
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タバコラム 166. 禁煙の日にひとこと(148) ~広島サッカースタジアムがいよいよ完成!~ さて、新しいスタジアムができるにあたり、広島県医師会(禁煙推進委員会)から広島市(都市整備局長と広島市健康福祉局保険医療担当局長)に、直接禁煙要望書が提出されたという報告記事が広島県医師会速報(第2571号)に掲載されていました1)。 サッカースタジアムと並行して広島市民球場(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)にも禁煙対策強化の要望書も提出されました。 どちらも不特定多数の市民が集まる公共施設ですから、受動喫煙防止の観点から、まずは、「全面禁煙(喫煙場所は設置しない)」、次善の策としては「喫煙室を設置はするが周囲に煙が漏れないよう厳重に管理する」、あるいは「喫煙しない人が受動喫煙被害を受けることのないように十分離れた場所に設置する」という、極めて明解な要望内容です。 サッカースタジアムについては、新しく建築されるので受動喫煙被害のないよう十分配慮してほしいという要望であり、広島市民球場については現在すでに喫煙所が設置されているので受動喫煙被害がないように改善してほしいとする要望となります。 喫煙しなくても十分スポーツ観戦を楽しめるはずなので、ぜひ一般市民の人に喫煙に対する意識改革ができるように医療者の立場からもっと発信していきたいものです。 JRはN700系の8両編成に喫煙ルームはなくなり、北陸新幹線は全面禁煙となっています2)。徐々にではありますが、確実に全面禁煙に近づけようと努力しています。新しく公共施設を建設する時などにはぜひこのJRの喫煙に対する取り組む姿勢を見習ってほしいですね。 参考記事 1)広島県医師会速報(第2571号)2023年12月5日, p.13-16 禁煙促進チーム 立山 義朗 #
by hiro-nishi-mc
| 2023-12-25 17:58
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タバコラム 165. 禁煙の日にひとこと(147) ~Dual usersという新たな喫煙者の登場~ そのなかでも従来型の燃焼式タバコと新型の加熱式タバコを両方使用しているDual usersいう人達が出てきました。 タバコ税の増税などでタバコ代が高くなっているにも関わらず2つのタバコ製品を使用するという事はどういう訳なのでしょうか? ■Dual usersについての米国の調査 海外からの報告ですが、Dual usersとはどういう特徴をそなえた人達かを調査した研究があります。 米国では喫煙者3,780万人のうち約600万人(15.9%)がDual usersと見積もられていますが、米国のPiper. ME先生達らは、従来型の燃焼式タバコを使用する群(n=166)とDual usersの群(n=256)を比較調査したところ、Dual users群はより若年で、白人が多く、高学歴で、精神疾患の既往が多く、1日に吸う燃焼型タバコの本数は少なかったとの事でした(表1, 2)。 またバイオマーカーの測定では、呼気CO濃度やコチニン(ニコチンの代謝産物)、3ヒドロキシコチニン(コチニンの代謝産物)の濃度に差は無かったのですが、NNALというタバコ由来の発がん物質の代謝産物はDual users群では燃焼型タバコ群より有意に低値を示しました(表2)。 そしてDual usersは燃焼型タバコを止めたいと考えており燃焼型タバコの本数を減らしているが、代わりに新型タバコによって同じくらいのニコチンを摂取している事が示唆されました。 ■カナダのDual usersの調査 カナダのPerry. RN先生らは175名のDual usersに対してオンラインサーベイを用いて調査しました。 内容はDual usersが従来型の燃焼式タバコあるいは新型タバコをどれくらい常習性のある製品かと認識しているか、また、それらの製品がどのくらい依存性や渇望感をもたらすかなどについて調査をしました。 その常習性は主にニコチンのせいと考えていますが、電子タバコの場合にはフレイバーなどの非ニコチン因子が常習性に寄与すると考えていました。 どちらも海外からの報告であり、そのまま日本の現状に当てはまるかどうかは判りませんが、新型タバコの登場により、従来型と新型の2つのタバコ製品を使用しているDual usersという人達が出てきており、彼らは従来型の燃焼式タバコの健康への有害性に気づいており、新型タバコを使用して燃焼型タバコの本数を減らそうとしているがニコチン依存からは脱却できていないという事なのかもしれません。 新たなタバコ製品の登場によって、タバコの使用者は選択肢が増えて、より複雑な状況が生まれています。それと共に禁煙活動もより複雑化していくような気がします。 参考文献 1. Piper ME, Baker TB, Benowitz MD, et al.:Dual users compared to smokers: Demographics, dependence, and biomarkers. Nicotine Tob Res. 2019 Aug 19; 21(9): 1279-1284. 2. Perry RN, Girgulis JP, Harrison SL, et al.:Dual users’ perceptions of the addictive properties of cigarettes versus E-cigarettes. Addict Behav. 2023 Jan: 136: 107483. doi: 10.1016/j.addbeh.2022.107483. Epub 2022 Sep 禁煙促進チーム 生田 卓也 #
by hiro-nishi-mc
| 2023-11-24 10:58
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