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タバコラム159. 禁煙の日にひとこと(141) ~依存症について~ 前回のタバコラム158では喫煙と併せて飲酒のことにも触れた内容でしたが、今回もタバコに限らず広く依存症について少し考えてみたいと思います。 依存症とは文字通り、”ものや行為に依存せざるを得なくなる病い”です。であるのに、とかく依存症でない普通の人たちからは、『依存症の人は意志が弱い』だの、『自己責任だから自分でどうにかさせろ』とか言われがちです。 しかし、本人が『タバコは体に悪い、健康を害するからやめたい、やめよう』と思っても、一度ニコチン依存症を患(わずら)ってしまうと、本人の意志ではどうにもならないので治療の対象になってしまうのです。 アルコール依存症についても、『車に乗るから絶対飲んではいけない』とか、『朝から飲んで仕事もせず家族に迷惑をかけている、どうにかしたい』と本人もわかっているにもかかわらず飲まずにいられない状態は、もはや自分ではコントロールできないので依存症治療を専門とする医療施設で治療が必要になるわけです。 そして麻薬などの非合法薬物もしかりです。 私は今年の3月末に依存症予防教育研修(Web視聴ですが)なるものを受ける機会がありました。 講師は自身も薬物依存症の回復者でASK*認定依存症予防教育アドバイザー資格をもつ方々でしたが、彼らの生(なま)の声を聴いて私自身強烈なインパクトを受けました。 その中の一人のお話が特に印象に残りましたので少し紹介します。 その人は小学生の時に家族から虐待を受け続けていましたが、ついに逃げ出し同じような境遇の、いわゆる非行グループの子供たちと出会い、仲間意識が芽生え、友達になり、初めて安心できる居場所ができました。そこで暴力を覚え、薬物を覚え、大人たちは信用できないが仲間や薬物だけは信用できました。 いやなことがあっても仲間は親身になって話を聞いてくれ、薬物はすぐに自分の思いをかなえてくれて、過去のいやなことを一時的でも即座に消してくれました。 次第に薬物の量も増えてきて、金もなくなってきて、仲間も離れ、次第に孤立していきました。『こんなことをしている自分はいったい何で生きているのか、いっそ死んでしまえば楽になるではないか』と自殺を試みました。 でも死なずに今こうして生きていて、回復できたのは、自分と同じような境遇の人の活動をネットで知り、共感し、それに救われて、自分の気持ちや考え方を転換することができたので今があるのだと話されました。 この人のように死にたいほどつらい人から自分を一時的にでも癒してくれる、慰めてくれる薬物のようなものを取り上げたらもう死ぬしかないと思うのは当然ではないかと私も思いました。 その人の心の根底にあるつらさが消えてなくならない限り、薬物はやめることはできない、薬物をやめる理由がないのです。 ![]() *ASK アスクとは特定非営利法人の名称です。 https://www.ask.or.jp/ 禁煙促進チーム 立山 義朗 #
by hiro-nishi-mc
| 2023-05-23 12:05
| タバコラム
タバコラム158. 禁煙の日にひとこと(140)~飲酒と喫煙の健康への影響~ アルコールは摂取しすぎると心身の健康に有害な影響をもたらしますが、20歳未満は摂取してはならないという規制がある点、価格の中に税金が含まれている点、また、やめようと思ってもやめられない依存性を持つ嗜好品であるという点ではタバコと共通しています。 そして『酒は百薬の長』という古語にもある様に健康に良い影響をもたらすとも考えられおり、近年の疫学的な研究によると少量の飲酒は心血管疾患の発症予防効果がある事が報告されています1)。 一方で、タバコはたとえ1本の喫煙でも予想以上に心血管疾患の発症リスクがあると考えられており2)、この点はアルコールと異なっています。 さて、飲酒と喫煙の両方を同時に行うとどうなるでしょうか? 西安交通大学のZhang.H先生らは、中国健康と養老追跡調査(CHARLS)という中国の45才以上の成人を対象にした国家的なサーベイランス調査のデータを利用して、喫煙とアルコール飲用が総死亡率や若年死亡率に及ぼす影響について調査しました3)。 対象者を①非飲酒+非喫煙群、②飲酒群、③喫煙群、④飲酒+喫煙群の4つのグループに割付け、ロジスティック回帰分析により飲酒と喫煙を組み合わせた影響について研究を行いました。 ![]() 図2では若年死亡率のOdds比を示していますが、飲酒+喫煙群はOdds比2.12と高く、調整後の解析でも3.14でした。喫煙群のOdds比は1.49で調整後は2.17でした。飲酒+喫煙群の女性群でのOdds比は5.36、調整後は4.95と極めて高値を示しました。 この研究から言える事は飲酒と喫煙のどちらか一方を行うよりも飲酒と喫煙の両方を合わせて摂取すると死亡リスクが高まるという結果ですが、女性では男性よりもその影響が大きいであろうという事になると思います。 この研究で死因が心血管疾患によるものか、悪性疾患によるものかについて記載されていないので、はっきりした事はいえないと思いますが、喫煙は少量のアルコール摂取で得られる健康への有益な効果を打ち消してしまうといえるのではないでしょうか。 新型コロナウイルスの感染も落ち着きはじめ、4月と言えばお花見や歓迎会などで飲酒をする機会もあるかと思いますが、健康のために喫煙せず、ほどほどの飲酒を心がけていきたいものです。 参考文献: 1)Day.E and Rudd.J.H.F.: Alcohol use disorders and the heart. Addiction 2019; 114: 1670-1678. 2)Hackshaw.A, Morris.JK, Boniface.S, et al.: Low cigarette consumption and risk of coronary heart disease and stroke:meta-analysis of 141 cohort studies in 55 study reports. BMJ 2018; 360: 1-15. 3)Hongli.Z, Bi.X, Zheng.N, et al.: Joint effect of alcohol drinking and tobacco smoking on all-cause mortality and premature death in China: A cohort study. PLoS One 2021; Jan 28; 16(1): e0245670. 禁煙促進チーム 生田 卓也 #
by hiro-nishi-mc
| 2023-04-24 18:34
| タバコラム
タバコラム157. 禁煙の日にひとこと(139) ~2023年の世界禁煙デーのスローガンは?~ 世界禁煙デー(World No Tobacco Day)は毎年5月31日でまだ少し先ですが、2023年の世界禁煙デーのスローガン1)とキャンペーン2)がWHOからすでに発表されています。 原文は、 “We need food, not tobacco”1) あるいは、 “Grow food, not tobacco”2) 『私たちに必要なのはタバコ栽培よりも食用作物の栽培です』、とでも訳されるでしょうか。 日本禁煙学会理事の松崎道幸先生は、 『何よりも欲しい物、それはタバコでなく、食べ物です』と訳されています3)。 タバコは換金作物として世界中の低中所得国を中心に栽培され、タバコ栽培と生産が長期的な地球規模の生態学的な被害をもたらし気候変動から食料危機にも関係してくること、タバコ栽培農家が食料生産に転業することを妨害するタバコ業界の企てを世界中の人々に知らせること、タバコ栽培農家の健康被害と貧困から脱するためタバコ栽培農家が食料生産に転業を促進する法律の枠組みを作るための国際的支援が求められています1)2)3)。 日本も批准しているタバコ規制国際枠組み条約(FCTC)第17条にタバコ農家が転作できる仕組みを進めること、第18条にタバコ生産と消費による環境と命の悪影響をなくすことが締約国の義務として述べられています3)。 参考資料 禁煙促進チーム 立山 義朗 #
by hiro-nishi-mc
| 2023-03-22 16:52
| タバコラム
タバコラム156. 禁煙の日にひとこと(138) ~従来型タバコの禁煙への行動変容の推進と加熱式タバコの普及による新たな課題~ ■喫煙から禁煙への行動変容 ![]() 喫煙者が禁煙に成功するためには、それまでの生活で習慣化していた喫煙から禁煙へという『行動変容』が成し遂げられなくてはならないのですが、行動変容に至るには時期によって無関心期―関心期―準備期―実行期―維持期という段階(図2)があり1)、各段階でつまずきや逆戻りを何度も繰り返しながら禁煙に至る事が多いとされています。 ![]() 健康増進法の改正で喫煙に対する規制が強化され、タバコ増税による効果が後押ししている事も考えられますが、多くの喫煙されていた方々が喫煙のリスクに気づき自ら禁煙へと行動変容を達成した結果でしょう。 ■加熱式タバコの普及の社会経済的な疫学像 一方、日本で近年、登場した加熱式タバコは急速に普及し特に若い世代で使用者が増えてきている事は憂慮すべき事かもしれません。 東北大学のIgarashi. A先生らは、オンラインサーベイを用いた疫学研究を実施され、加熱式タバコの使用は高齢者と比較し若年者群で多く、低収入の群と比較し高収入の群で多くなっている事を明らかにしました2)。 加熱式タバコの使用に社会経済的な格差があるという事は新しい疫学的な知見ですが、喫煙率が低いと考えられている若年で高収入の集団に使用が普及している事はタバコ会社のマーケッティング効果の表れで、新たな対策が必要ではないかと警鐘を鳴らされておられます2)。 タバコ会社は新型タバコを『煙が出ない』『身体に害が少ない』というイメージ戦略で売り出していますが、人体に害が無いとは必ずしも言えず、新型タバコは使用後早期に肺機能に影響を及ぼすといった報告も出てきています3)。 何よりも加熱式タバコはニコチンを含有しており、ニコチンを補充する器具という意味では従来型の燃焼式タバコと同様でニコチン依存症に陥る可能性があるのです。因みに、加熱式タバコの禁煙を希望される方も禁煙治療の適応になってきます4)。 今後は従来型タバコと共に新型タバコの禁煙についても取り組んでいく必要がありそうです。 参考文献: 1)田原正夫:禁煙ドロップアウター.治療 2019;101(4):439-443. 2)Igarashi. A, Aida. J, Kusama. T, et al.: Heated tobacco products have reached younger or more affluent people in Japan. J Epidemiol. 2021; 31(3): 187-193. 3)Pataka. A, Kotoulas. S, Chatzopoulos. E, et al.: Acute effects of a heat-not-burn tobacco product on pulmonary function. Medicina (Kaunas). 2020 Jun12; 56(6): 292. doi: 10.3390/medicina56060292 4)日本循環器学会. 禁煙治療のための標準手順書 第8.1版 出典: 禁煙促進チーム 生田 卓也 #
by hiro-nishi-mc
| 2023-02-15 12:23
| タバコラム
タバコラム155.【特別寄稿(152. 続編)】禁煙の日にひとこと(137) ~コロナ禍と自己肯定感とタバコ~ **タバコラム152. 「コロナ禍によって見えてきたもの (喫煙者の意識に関して)~」の続編です。キーワードは「自己肯定感1)」。それでは真鍋 憲幸先生の興味深いコラムをお読みください(禁煙促進チーム 立山記)。** 皆さん、「自己肯定感」という言葉を知っていますか? きっと聞いたことはあるという方が多いと思います。実用日本語表現辞典では、自己肯定感を「自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情」と説明しています。この自己肯定感は、目まぐるしく変わる今の世の中を生きていく私たちにとって非常に大切な感情なのですが、実は「コロナ禍」と「タバコ」はこの感情を増悪させる一つの原因であるとされています。 「喫煙行動と自己否定やストレス気質の関連性」は既に多くの学術的知見が報告されています。また、コロナ禍によって加速した仕事・生活の変化や、外的な規制・自主的な制限が重なったストレスの影響で徐々に体と心に変化が発生し、イライラや怒りっぽさ、もしくは不安や抑うつのような症状がでやすいことも明らかになってきています。 これらを一気に解決する方法はないのですが、「人とコミュニケーションをたくさん取ること」と、「客観的に自分自身の心の状態を意識すること」の2つが増悪をくい止めるのに大切であるのは間違いなさそうです。後者は心理学では「メタ認知」と呼び、「自分がどう感じているのか、どう考えているのか」を俯瞰的に見ることを指します。しかし、喫煙をしていることによる潜在的な自己否定感が、コミュニケーションやメタ認知に対しマイナス要素になる可能性があるのです。 喫煙者の方には2つのタイプがあるようです。 ①「やめないといけないなぁ」と思っているけどやめられない人と、 ②「誰が何と言おうと喫煙をやめないと思っている」人。 「やめないといけないなぁ」と思っている人は今が決め時です。コロナ禍というストレスは、もうしばらくは続きそう。であれば、自己肯定感を阻害しそうな喫煙をやめておくことは「リスク低減措置」です。 一方、「どんなことがあってもやめないぞ」と思っている人も実は今がチャンスです。 発想を転換してみましょう。 そもそも、自己肯定感というのは、柔らかく表現すると「どんな環境でもどんなことでもそれなりに楽しめること」であるはずです。 どんなことがあってもやめないというほど「自分がしっかりしている」ということは、自己肯定感を維持する素質は十分に備わっていることになります。 頑(かたく)なに堅持してきた「喫煙という環境」から今度は逆に「禁煙という環境」を楽しむ方に転じ、少しでも「自己否定の種」を摘んでおくなんて、カッコいい大人がこっそりやる趣味に最適ではないでしょうか(図)。 ![]() 「息苦しいコロナ禍に更に禁煙なんて…」と思うか、「息苦しいコロナ禍だからこそ、ポジティブにマイナス要素を減らす活動に転じてみる」か、考え方次第でネガティブな感情から抜け出すきっかけになることもあるのではないでしょうか! 参考 大竹市医師会(三菱ケミカルグループ株式会社 全社統括産業医) 真鍋 憲幸 #
by hiro-nishi-mc
| 2023-01-18 11:16
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