第8回画像による病理診断クイズ解答
画像1:
肉眼像 野イチゴのような外観を示す、表面顆粒状、有茎性、桑実様腫瘤です。
画像2:
固定後肉眼像 固定後は赤みが薄くなりましたが、外観は画像1と同様です。
画像3:
固定後割面肉眼像 表面乳頭状、灰白色、充実性の腫瘤です。灰白色部分にはやや黄白色調の点状あるいは線状構造が見られます。
画像4:
組織像 HE染色強拡大 対物×20 下方に延びる表皮突起間に拡張した毛細血管やリンパ球、形質細胞主体の炎症細胞浸潤に加え、多数の泡沫細胞(foamy cell)の集簇を認めます。
画像5:
組織像 HE染色強拡大 対物×40 泡沫細胞の集簇がより明瞭です。
以上の所見より、組織診断は
『疣状黄色腫(verruciform xanthoma)』 です。
前回も黄色腫関連画像でしたが、黄色腫はわりといろんな臓器で出現してきます。
さて、疣状黄色腫は比較的まれで、外陰部や口腔などに発生する良性病変です。腫瘍ではありません。肉眼所見と組織所見が特徴的で一度見ると忘れません。
(文責:立山義朗)